飲食店の開業はスタートからゴールまで多くの確認や選択、検討するべきことがあります。店舗開業の具体的な、そして重要な一歩は物件探しからでしょうか。物件探しから決定までは重要ななすべきことが目白押しですから、よく整理して実施してください。
まずは出店したい飲食店のジャンルを決めることから始まります。居酒屋なのか、ファストフード店なのか、はたまたレストランなのかなどです。そのジャンルによって出店する地域、つまりエリアが決まってきます。
さらに突き詰めると飲食店のコンセプトによっても大きく変わってきますので、飲食店のコンセプトという方向性をよく検討するべきです。例えば同じレストランであっても、ファミリー層をターゲットとしたファミリーレストランと、女性層を意識したオシャレなレストランでは、客層も提供食材もお店の内装までも大きく異なります。
出店するエリアが決まれば次は物件の選定になります。物件情報を集め、コンセプトに合った店舗を探すには、それなりのコツや知識が必要になりますが、初めて店舗を出店する場合はどこから手をつけてよいのか分からないのではないでしょうか。
専門家に頼るのか、あるいは自分自身で情報を調べるのか、どちらもメリットとデメリットがあります。
飲食店に詳しい不動産業者に依頼した場合、新規開店の心強い相談相手を得ることになるかもしれません。周辺の飲食業界やエリアの動向なども熟知しているベテラン業者から得られる情報は貴重です。単に物件仲介業者、紹介業者として接するより、パートナーとして有効に活用してみましょう。
もちろん不動産屋の都合を押し付けられるリスクやデメリットも考えられますので、交渉は慎重に行ってください。特に初めて飲食店経営に乗り出す方は、かえって甘く見られる場合もありますので、事前に調査を深めていくとよいでしょう。
片方でインターネットやSNSなどを活用する方法もあります。客観的に多くの情報を収集できるので、上手に活用すると効果的です。情報を比較しながら収集できる点はサイトの利点ですから、比較サイトや地域情報などを効率よく収集・分析してみましょう。
また、集客に結び付く情報なども同時に調べられます。立地などをマップに表示し、視覚的にみることで人通りやエリアの様子がイメージできますので、集客についてもより具体的に想定できます。
居抜きとスケルトンは意味するところが大きく違いますが、混同している方もいるようです。
現状渡しとなる点は両方とも同じですが、居抜きの場合は前の営業店舗の内装や設備または什器がそのまま使える点が特徴です。スケルトンは内装や設備などが行われておらず、建物の構造躯体がそのままのものを言います。
居抜きは前店舗の設備や内装をそのまま活用することができるので、新たに内装工事や什器を用意しなくても、そのまま営業することが可能です。スケルトンは躯体のままですから、営業するためには新たに内装工事や設備工事、什器の購入などゼロから店舗構築を行うことになります。
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居抜き物件のメリットは何といっても初期コストの削減にあります。新規店舗の展開にはリスクがつきもので、中でもコスト面での負担やリスクは見逃せません。なるべく初期費用は抑制したいところです。
また、新しい飲食店を展開するにあたって肝心なポイントのひとつに迅速な開業、つまり開業時期の短縮があります。開業が早ければ早いほど資金を寝かせることがなく、営業による資金の回転も期待できます。
居抜きからの店舗開業は初期コストの抑制と同時に、開業の時期も早期展開が望めます。
居抜き物件の場合はリニューアルと考えてもよいので（オーナーが変わりますが）、従来の顧客も対象となります。リニューアルと割り切れば設計から施工工事の完了まで短期間で終えられます。
さらに進めて検討していくと、実は同業種の場合であればそのまま従来のスタッフを雇用することも可能です。このやり方であれば、新規のスタッフ募集に関わるコストや、スタッフ教育の負担も軽減できますので、店舗運営上のメリットは大変大きくあるのではないでしょうか。
このように居抜き物件を上手に活用することで、オープンと同時に一定の営業効果が期待できます。
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スケルトンは素のままの状態で受け渡されます。そのためいかようにも店舗を造作することができますので、自由な発想で店舗を作ることが可能になります。
居抜きの場合は既に設置されている設備や内装の変更は容易ではなく、どうしてもデザインや店舗構成や造作について制限がかかってきます。その点スケルトンは初期状態から手をかけられるので、コストや手間がかかりますが、オーナーのイメージや要望に合わせて店舗を作ることができます。
スケルトンでは建物躯体のままからの造作になるので、大胆な内装な設備の構築ができ、店舗も従来の発想から超えた設計とすることが可能になります。その点ではコンセプトに忠実な店舗作りができるので、よりオーナーの発想を現実にできるのではないでしょうか。ユニークな飲食店を展開するのであれば、スケルトンを採用するケースでは大きなポイントとなります。
居抜きであってもスケルトンであっても、飲食店の開業までのスケジュールとしては物件の選定がないと始まりません。
選択したい飲食店物件は、何といってもよい立地条件を兼ねている物件です。よい立地条件とは単に人通りの多い場所とは限りません。お店のコンセプトによっては目立たない立地のほうがよい場合もあります。
ここで物件探しについてチェックするべきポイントを確認してみましょう。
立地のエリアの人口や、住んでいる人の傾向、通勤通学者の多さなどは、飲食店経営にとって重要な情報になります。例えばファミリーレストランを営業する場合はファミリー層が近くに住んでいることが前提だと考えてください。さまざまな観点から見て、コンセプトに合ったエリアを選択することが大切です。
交通量も重要な立地条件になります。交通量が多いに越したことはありませんが、量だけでなくどのような人が流れているかが重要です。学生をターゲットにした店舗であれば通学者の多い場所を選択することになりますし、ビジネスマンを対象と考えるのであれば通勤者エリアがベストです。
路面店とは、道路に面した1階に立地している店舗のことを指します。路面店のメリットとしては人目につきやすく、入店しやすいことにあります。ある意味で、店舗そのものが宣伝素材となっているのです。反面、誰もが希望する条件になりますので、どうしても費用が高めになります。
やはり気になるのは競合店の状況でしょうか。競合店が近くにあるのが不利に働くケースと、相乗効果を上げるケースがありますので、安易に判断することはできません。まずは競合店が繁盛しているかどうかを確認してください。
飲食店の賃貸については家賃だけでなく、敷金や保証金などの初期コストも検討に入ります。礼金や仲介手数料などは一回だけの出費ですが、更新料は一定期間ごとに発生します。初期費用の抑制だけでなく、継続して営業する上では出費全般と売上の見込みなどもバランスをとって考える必要があります。
飲食店の経営に乗り出そうと考えている未経験者の方はもちろん、既に出店済みの経験者であっても、新規店舗の出店は不安や心配がつきものです。そのようなときはやるべきことや検討すべきことを洗い出し、見える化することが大切ですね。物件探しも同様で、抑えるべきポイントを明確にし、ベストな行動プランを設定することで、新しい飲食店展開を成功に導くことができといえるでしょう。